飾りとしての日本語

ベトナムに売られている商品には日本的な要素が全くないにも関わらず、日本っぽい名前が付けられていたり商品に日本語が記載されていたりします。今回はそんな飾りとしての日本語について思うことを書きます。

安心の日本製神話

なんで関係ないのに日本的な要素を入れるかというとそれほど日本に対する信頼があるからでしょう。商品名を日本っぽいのにする心理は日本で西欧諸国の言葉(フランス語、イタリア語、スペイン語など)を使って名前を付けるのと似たような心理かと思います。

消費者のほとんどは日本語が分かりませんので、とりあえず日本語っぽい言葉が入っていればそれだけでブランドとしての価値が上がると考えているのかもしれません。(ただそんなでたらめな商品が市場には溢れていますので、実際のベトナム人は単に日本語が書いてあるだけで本当に日本に関係があると信じている人は少なくなっています)

日本との経済レベルの差が縮まるにつれて、日本に対する感覚が昔より下がっているのは当地で過ごしていると分かりやすいですが、「日本のもの(特に食)」に対する信頼はまだまだ高いように思われます。正直なところ日本の立ち位置的な観点から、ベトナムのなんちゃって日本的な商品も見なくなってしまう時代もそのうち来るんじゃないかと思っています。

無毒の化学物質はありません

なんちゃって日本的な商品は変な日本語が多いのが特徴で、ネイティブであれば気付くものやそれなりに日本語が分かる外国人が見ても分かるあからさまなものまで色々です。結局それを作っている会社のレベルを表している気もしますが、無名な会社ほどひどい日本語を使う確率は上がります。先日妻がテイクアウトで付いてきた割りばしの袋に日本語でこんな印字がされていました。

「無毒の化学物質はありません」

つまり有毒な化学物質だけあるってことかな?そんな割りばし誰が使うんだって話です。ベトナムでは質の悪い割りばしは身体に悪いというのはよく言われているところなので、そういった消費者心理をついて日本語を入れたのだと思いますが、まさかの有毒アピールとなっていることに気付いたベトナム人はどれほどいるのでしょうか?巷にはこんなよく分からん日本語がいっぱいあります。

因みにこういった製品の中には中国からの輸入品も多分にありますので、それがベトナム産なのかどうかは調べてみないと分かりません。ただ多くのベトナム人はこの手のインチキ商品は基本中国製だと思っています。

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