ベトナムのスーパーのカートと社会性

スーパーマーケットで買い物をする際に使用するカート。ベトナムではカートは大サイズが一般的で、小さいサイズのカートはスーツケースのように引きずり式のものが多いです。今回はスーパーのカートについて思うことを書きます。

スーパーの大カート

ベトナムのスーパーではどこのスーパーでもこの大きさのカートがあります。日本でこのサイズはコストコを代表にまとめ買いをメインとするようなスーパーに設置されていますが、ベトナムではこのカートが一番使われています。

実際このカートいっぱいにまとめ買いをしている人も見られ、洗剤やらインスタント麺やら日持ちするようなものを大量に買い込んでいます。大家族なのか、日常的にスーパーを利用する人ではないのかよく分かりませんが、アメリカのように車で来て数週間、何カ月分かのものをまとめて購入していくような感覚かと思います。

でも実際は・・・

(ローカルに多い小サイズのカート、取っ手が突っかかって伸びきらない安物も多い)

上で書いたような人もいるわけですが、大半はそこまでまとめ買いをする人たちではありません。なのでカートの要領的にはスーツケース式のカートやイオンモールにあるような小サイズのカートで十分なわけですが、ベトナム人はこの大カートに子どもを入れます。はっきり言って子どもの容積ありきの大カートです。

大カートにも子どもを座らせるための椅子が備え付けられているんですが、カートの中にそのまま乗ってトロッコのように運ぶスタイルが好まれるよう。トロッコ形式は子どもが喜びますし、目を離した隙に子どもがどこかに行くこともありませんから、親としても安心といった心理もあるのでしょうか。中には上着を中に敷いて簡易ベッドみたいな使い方をしている親もいます。

ただですね、毎回思うのは「お前ら靴を脱げ」ということ。靴を脱いでも正直微妙なんですが、そもそも食材を入れるカートに土足で入らせる親の感覚に辟易します。実際のベトナム人の感覚を拾いますと、食材そのものがカートに直接触れるわけではない(つまり食材は普通パッキングされている)から問題ないだろうということです。「じゃあその理屈でいくと、パッキングされている肉を俺が靴で踏んでもお前は気にせず買うのか?」と言うと黙ってました。

こういう使い方をするベトナム人が多いからカートの底は間違いなく汚れていると思います。あらゆるスーパーが定期的に全てのカートの清掃を行っているとは思えないですし、多分白いぞうきんを持って行ってカートの底を拭き上げるとかなりの汚れが出るんじゃないでしょうか。

イオン挫折したか?

イオンモールが開店したときは大カートに子どもを乗せるなという注意書きと共に、実際に乗せている親がいたら店員が注意をしていました。しかししばらく経つと誰も注意しなくなっており、今では普通のローカルスーパー同様にトロッコカートが至る所で見られるようになっています。

そもそも注意する店員もトロッコ環境で生まれ育っているわけですから、会社命令に則って注意したとしても本人の感覚的にはOKなわけで、そんなことでいちいち注意するのもかったるいと思うこともあったんじゃないでしょうか。注意されて逆切れするような客も普通にいそうですし。イオンの管理者側もベトナムでこれを徹底させるのは無理だと判断したのか、今では子どもをカートに乗せるなという形骸化した注意書きのみが残っています。

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