ベトナム人日本語教師のよくある誤解

ベトナムは日本語学習者が多いので日本語教師の仕事に就いているベトナム人に出会う機会もよくあります。しかし教師という仕事でありながら日本語教師という枠は少し特殊でして、この記事では私がベトナム人日本語教師について思うことを書きます。

ベトナム人日本語教師とは

どんなところで日本語を教えている?

ベトナム人日本語教師が日本語を教えている場所は大きく以下の施設になります。

・技能実習生送り出し機関

・留学生斡旋センター

・大学、高校、その他学校

・社会人向けの民間語学学校

大学などは少し狭き門ですが技能実習生の送り出し機関や留学センターは数がかなりありますので、その分日本語教師の需要も多いです。しかし人が足りない分、「とりあえず日本語が分かればOK」みたいな感じで採用している機関も結構ありますので、質は人によってかなり差があると思った方がいいと思います。

日本語教師は平均的に日本語力が低い

語学講師と聞くと一見のその言語のプロのように思われがちですが、ベトナムのベトナム人日本語教師に限って言うとそんなことはありません。むしろ中の下から上ぐらいに収まる層が最も多いかと思います。どちらかというと日本語関連の仕事をしたいので、一番就くのに手っ取り早い仕事というような位置づけでもあり、次のステップまでの踏み台のような形で日本語教師の仕事に就いている人も結構います。送り出し機関であれば日本語教師は営業部や書類作成部の日本語人材よりも日本語が劣るケースが多いです。なので一般的に給料も安目。日本語教師をやっている人は実習や留学で日本から帰国したての人や、大学で日本語学校を卒業した新卒の人達が多い様に思います。

教師とは言っても本当の意味での教師は少ない

色々な人を見てきて「この人は本当に教師っぽいなー」と思う人は少ないです。どちらかというと「仕事として言葉を教えている人」というような感じの人のほうが多いです。それもそのはずベトナム人日本語教師は特別な資格は必要ありませんし、教員としての心構えみたいなものを持っていなくても容易に就職できます。とりあえず会話がある程度できて、日本語資格N3ぐらいあれば就職できるような位置付けです。因みにベトナムの日本語学部で有名なハノイ大学では、ビジネス日本語コース、通訳翻訳コース、日本語教育コースの3つの中から選択するようですが、日本語教育コースは最も人気が低いとのことです。

教師と生徒の恋愛は別に構わない?

どうやら学校の先生と各種機関の日本語教師は同じ教師でも別枠のようで、生徒と恋愛することになったとしてもそれほど大きな問題にはならないようです。一応隠れて恋愛をするみたいですが、すぐに生徒や先生の間で広まってしまうとのことですので、そのぐらいの秘密レベルということが窺えます。因みに送り出し機関では生徒である実習生と恋愛ということになりますが、これは送り先の日本企業などに何かしらの迷惑がかかる可能性がありますので、送り出し機関によっては生徒との恋愛を厳禁、もし破ったらクビみたいにしているところもあります。

日本語教師を辞めてどこへ行く?

先ほども書いた通り、日本語教師は次の職業のためのステップアップのために一時的に就いているという人がたくさんいます。ではそういった人はステップアップとしてどんな職業に就くのでしょうか。日本語教師からキャリアチェンジが成功した人を見ているとこういった感じの人が目立ちます。

・送り出し機関の営業部:日本語教師以上の生の日本語を操れる必要があるので、ある程度の日本語力がないと就くのが難しい職種。その分会社では花形ポジションで給料も高い。但し女性の場合は採用に容姿も求められるのが現実。

・日系企業の従業員:元々日系企業で働きたかったが職が見つからなかったので日本語教師に就く。で、チャンスがあったので念願の日系に就職成功パターン。

・日本で就職:一度実習や留学で日本へ行き、帰国後は日本語教師をしながら再度日本での就職機会を窺うパターン。

このように日本語教師の経験者はたくさんいますが、上のような理由から日本語教師の仕事に長期間従事する人は少ないです。なのでベトナム人の中でもエキスパートの日本語教師は育ちにくいという事情があり、本当に質の良い日本語教師を確保するのに苦戦している日本語教育機関はたくさんあります。