【旧正月(テト)明けに離職が多いベトナム】果たして来年は?

今年もあと一週間をきりましたが、ベトナムは旧正月(以下テトと呼びます)で1年勘定なので、それほど年の瀬を感じずに過ごしています。次のテトは2月の初旬になりますので後ひと踏ん張り仕事に奔走することになりそうです。しかし今年はコロナで一時帰国の希望も叶わず、テト休みはどうしようかと頭を悩ます在留日本人も多いことでしょう。ところでこのテト休み明けは別の意味で仕事が忙しくなる時期でして、ベトナムではテト休み明けに退職者が増える傾向があります。今回はその点について書いていきたいと思います。

なぜテト休み明けに離職者が増えるのか

理由其の一:ボーナスをもらってから退職

ベトナムではテト賞与と言って、大体どこの企業も最低1か月分の賞与が支給されます。ほとんどの会社は1年でこのボーナスのみなので、たとえ退職したいと思っているベトナム人がいたとしてもテトの時期が近付いていたら、テト明けまで転職を控える傾向があります。よくあるのがテト休み前から転職活動をしており、内定獲得後の入社はテト明けの1~2か月後というパターン。とりあえず今年度のボーナスは確保の上で、退職後ブランクなく次の職場へ移ることができるように調整します。企業側も毎年ある程度はこういう人が出てくるという心づもりでいないと面食らうことになります。まあ長年ベトナムで働いている人は慣れっこなので想定内の退職にはなります。

理由其の二:故郷が恋しくなった/時期的な問題

テト休み期間中に田舎へ帰り家族や地元の仲間と親交を温めた結果、

「やっぱ俺の田舎サイコー!」

となってそのまま帰って来なくなるパターン。こちらはワーカーなどの作業員に多いです。特に独身など背負うものがない人は手軽に辞めてきます。

他にテト休み明けは所謂1年の始まりなので、何か新しいことをしたいと思ったときにスタートを切りやすい時期になります。日本でいう4月みたいなものでしょうか。前々から何かやりたいと思っていたけど、ちょうど一つの区切りとしてテト休み明けに実行に移すよう計画を練る、こういったベトナム人も多いものです。

退職者が増えるテト明け、コロナの影響がどこまで出るか

今年一年はコロナによる強制的な失業を除き、転職者の数が例年より少なくなっています。現職に不満があったとしても「とりあえず今退職すると新しい仕事を得るのは難しそうなので様子を見よう」、そんな感じです。ただベトナムは早期のコロナ抑え込みに成功していますし、海外との関りがある業態以外では通常の日常が戻っています。なので春先はそれこそ転職希望者が激減しましたが秋口辺りから徐々にいつもの状態に戻ってきてはいます。もう少し慎重に様子を見るのか、あるいは例年通りテト明けの離職者が増えるのかは興味深いところであります。前回のテト明けはコロナの影響で転職を我慢していた層がそれなりにいるはずなので、今年転職しそびれた層も合わさって一気に、なんていうこともあり得るかもしれません。

離職はそれほど肯定的な見方ができませんが、それなりに転職者が出てそこにありつく求人が多いとすれば景気の観点から悪いとも言えません。前のテト休み明けはそれこそ冷え込みましたので、来年は多少温かくなるでしょうか。どちらにしても企業関係者にとっては離職者が出たときの対応を少し考えておいたほうが良さそうです。