ベトナムの作業員を見て掃除の習慣を考える

自宅のメンテナンスや家電の設置などで作業員が家に入ることがあります。今回はその際に感じることについて書きたいと思います。

基本ゴミは持ち帰らない

作業をすると何かしらのゴミがでます。家電の取り付けであれば梱包している段ボールの空箱なども出ますが、作業員は基本これらのゴミを処理して帰りません。処理をするのはその家に住んでいる人が行います。作業員からすると取り付けは仕事の依頼だが片付けまでは依頼に含まれていないということでしょうか。その理屈でいくとこちらも家を汚すことは依頼していないので平行線となります。ただこういった作業員の振る舞いに妻は何も感じていませんのでこれがベトナムの習慣なんでしょう。私がスルーするしかなさそうです。「悪いけどゴミ片付けといてもらえますか?」の一言でもあれば大分心証が変わってくるもんですが。。。ゴミだけならともかく壁に穴を開けたときに出る粉塵やらそういった細かい塵が出るときはちょっとした大掃除になります。

そんな作業員も育ちが出る

この手の作業員は客先での振る舞いについて特別な教育を受けているわけではありませんので、本人の人柄がモロに出ます。例えばウォーターサーバーの水を飲むにしてもコップがあれば何も気にせず勝手に飲みだすのか、あるいは「ちょっとお水もらえますか?」と断りを入れる作業員かはその人の人柄次第となります。語弊のある言い方になるかもしれませんが、作業員系の人たちは前時代的なベトナム人の感覚の中で生きている人が多いので必然的に後者の割合が高くなります。プライベートで付き合いのあるベトナム人でもその辺りの差が結構出るものです。(例:自宅でトイレに行くときに家人に一言かけるか、などなど)

汚して立ち去る文化

(飲食のゴミ処理はその人の育ちが一番出やすい。)

ゴミを片付けない作業員の話をしましたが、他の場面でもこういった習慣にリンクできそうなことがありますので書いておきます。前時代的なベトナムでは使った人が片付けるというより、後から使う人が片付けるという場面が見られます。「なんで他人が汚したものを自分が片付けないといけないんだ」と日本人なら釈然としないところですが、自分が使う時も前の人が汚したものを片付けたわけだから今回は自分も片付けずに去るというループを考えると一応筋は通ります。

典型的な例は賃貸などの部屋でしょうか。ベトナムでは引っ越しをする際に私物はもちろん運び出しますが、自分が使って汚したところをキレイにしたり、不要なものを処分して出るということをしません。汚れたところは次の人がキレイにして使えばいいし、不要な物は次の人が使いたければどうぞ、いらないなら勝手に捨ててください精神です(大概の場合は次の人が部屋に入る前に大家を挟みますので大家がその処理をします)。これはホテルの部屋のチェックアウトの時にも表れます(この場合は掃除の人が割を食う)。

あるベトナム人はお金を払っている以上、汚す権利もあるということを言っていました。限度ってもんがあるんじゃない?と思いましたが、どの程度の汚しっぷりで恥ずかしさを感じるかはその人次第と言えそうです。結局自分が使って汚したものを後で掃除する必要がないからこんな猛烈に汚せるのかなぁと見ていて思います。大概の日本人は後の掃除の手間を考えてできるだけ汚さないように使おうとしますからね。

多分ですが作業員も自分が出したゴミや汚れは自分で処理していかなければならないとすれば、もうちょっと考えて汚すのではと思われます。ただ上で書いた通り多くのベトナム人は「そういうもの」と思っていますので、この手のことがクレームになりにくいことから改善されず今に至っていると言えそうです。

>