ベトナムの母乳意識について考える

日本製を筆頭に良質な粉ミルクがベトナムでも手に入るようになりましたが、依然として母乳にこだわる家庭は多いです。しかしどの母親でも母乳が十分に出るというわけでは当然なく、出ない場合はどのようにミルクを調達するのか?今日はベトナムの母乳事情について書いていきます。

ベトナムにおける母乳神話

ベトナムでは母乳で育つと子どもが丈夫になるという思いが強いです。多分間違ってはないのでしょうが、何となくそこに対するこだわりが日本人のそれより強いかなと個人的には思います。母乳の効果について私もあまり詳しいことは分かりませんが、とりあえず免疫力といった観点などからでも粉ミルクよりは母乳のほうが有効な模様。あと子どもの成長にも良いと聞きます。こういう話をすると「うちは粉ミルクで育ったけど、母乳の子どもと遜色ない」という声も聞こえてきそうです。実際のところはよく知りませんが、気持ちの問題でもあるように思います。

不良な粉ミルクの影響もある?

ベトナムで母乳神話が強いのは不良な粉ミルクの影響もあるのかもしれません。主に中国製ですが、何が入っているから分からないから絶対にあげたくないという親は多いものです。なので母乳であれば身体に安全且つ栄養豊富という保証があるのでしょう。明治やグリコの製品がベトナムでも人気ではありますが、これも缶はそっくりの中身は別物という偽物もあるようですので、出所がはっきりしないものは買わないというベトナム人がほとんどです。なので日本人が一時帰国の際に粉ミルクをお土産に頼むのはこういった事情があるからです。買って持って帰ってくる立場から言わせると「ベトナムでも手に入るだろ」と思うんですが、こういった事情を知っていますと無碍に断るのもどうかなぁという気持ちになります。(地味にかさばるからできれば頼まれたくないんですけどね)

因みに私の妻曰く、同じグリコの粉ミルクでもベトナムで買ったものと、日本で買ったものでは微妙に味が違うとのこと。偽物とかそういうのではなく、その国の成分基準などで微妙に違いがある、ということでしょうか。

母乳が出ない、さあどうする

母乳が出ないとなると粉ミルクで代用、と思いきや先ほどの母乳神話がありますので、他の母親に母乳をもらうという親も結構います。私の息子は現在授乳期間ですが、十分に量が出ますので外出先とかでなければ今のところ粉ミルクは必要ありません。また冷凍で保存するぐらいの量が出ますので、同じマンションに住む人から分けてほしいと言われることもあります。中にはこれを「売る」母親もいるようで、自家発電の商売とは中々すごいものがありますね。

もらい乳に関するベトナム人の反応

私個人的にもらい乳はちょっと嫌。何か自分の子どもが知らない人の母乳を飲んで育つということに抵抗があると言いますか、それで大きくなっていく子どもも何か微妙だなぁと。。。まあそれぐらい余裕があるからそういうことを言えるのだと思いますが、仮に妻の母乳が全く出ないとしても完全粉ミルクでいくのではと思われます。また私と同じような感覚のベトナム人も中にはいまして、やっぱり男女共に抵抗があるという人も一定数いると考えることができます。

妻の母親の話では、昔はもらい乳ができないときは水に砂糖を入れて凌いでたこともあったと言います。ベトナムの戦後に当たる時期の話だそうですが、そう考えると今はとりあえず赤ちゃんに飲ませるものがなくて困るという時代ではなくったようです。

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