保護者も商売相手になりうるベトナム人教師

先日保育園へ娘を迎えにいったときの話。いつも通り園前で先生が娘を連れて来るのを待っていると程なく先生と娘がやってきました。娘のカバンを先生に渡されて一緒に帰ろうとなった矢先、もう一つ紙の手提げ袋を渡されます。なんだこりゃ?と思いましたが先生は一言、

「奥さんに渡してください。」

とのこと。中身を特に気にすることもなく、まあ何か娘に関する物だろうと思い帰路へ着きました。家に帰って妻に例の手提げ袋を渡すとそれが妻の化粧品だったことが分かります。聞くとその先生は副業で化粧品のオンライン販売をSNSでやっていて、それを購入したとのことです。

先生が副業をしてはいけないわけではありませんが、自分の生徒の保護者に売っている辺り何ともベトナムらしい光景です。そもそも学校の先生が副業って日本ではまだ聞いたことがありません。

こちらの教職は元々給料が安く、本業以外からの収入がなければ中々厳しい立場なのは有名な話です。学校の先生が学校外で私営の塾を開いて稼ぎの足しにしているのは珍しくないですし、保護者から何かしらのイベントごとにちょっとした包みを受け取ることもよくあることです。

学校の先生と言えど、不正なことをして金銭を受けるのでなければ、どのような形であれお金を稼ぐのは悪いことではないという共通認識がベトナムにはあります。そういう意味で学校の教師に限らず本業以外でお金を稼ぐ手段を持つことはベトナムではれっきとしたスキルと言えます。

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