ベトナム人実習生より日本人若者貧困層の方が貧しいという話

タイトル通りなんですが、こんな感じの内容の記事を読みましたのでそれについて思うことを書きます。とりあえず比較設定としてベトナム人実習生は高卒でベトナムでの月収2~3万円程度、日本人は高卒の非正規雇用とします。年齢は双方25~30歳辺りとして考えます。

実習生は搾取されたり、貧しい家庭から来ていると言うけれど?

技能実習生と言うとベトナムで貧しくて、日本に来て搾取される可哀そうな人達というイメージがあるかもしれません。しかし本人たちが明らかに搾取されると考えるのであれば誰も日本へは来なくなるわけでして、多くの人はちゃんと日本でそれなりに稼いでベトナムへ帰るわけです。一応ベトナムにいる実習生管理団体の人たちと話をしていると、3年働いて概ね200~300万円貯金ができれば御の字といったところのようで、多くの実習生はそれを見越して日本へやってくると言えます。またそれを実現できる可能性は100%ではありませんが、少なくとも行ってみる価値はあると思われるほどの成功確率なんでしょう。

日本の非正規雇用の若者は3年で200~300万円も貯金ができるだろうか?

実家暮らしか自腹で家賃を払っているのかなどにも依るでしょうが、ほとんどの人は無理でしょう。実習生は稼ぐために来日していますので、日常での出費を抑えて貯金に回していますが、日本人の若者の場合はそれと同じ感覚で貯金をするというのも実際のところ難しいかと思います。また実習生は住居や生活費についても一定の補助がありますので、まともな受け入れ先であれば可処分所得は実習生のほうが多いかと思います。

同じ3年でも将来への負担軽減の差が顕著

日本人の高卒で非正規雇用であれば、実習生と同じ現場で働いているという人も多いかと思います。似たような職場で同じような仕事をして3年間働いた場合、そこから得た所得はどのように使われるでしょうか。

日本人非正規雇用の場合

日常の生活費でほぼ消え、貯金も大してできず。ただ働くだけでは昇給やキャリアアップも難しく、そのまま年を重ねるとジリ貧になる可能性が出てくる。今の時代高卒で経済的に心配のいらない収入を得るにはそれなりのスキルに秀でている必要があるはずです。大卒だからといって決して安泰という時代ではありませんが、高卒のほうがより厳しい環境に置かれやすいのではないでしょうか。

ベトナム人実習生の場合

貯金したお金をベトナムに持ち帰ることで価値が倍増。家を建てる場合は田舎であれば多少資金にテコ入れをすれば土地がある前提で可能。200万円あれば子ども2人までなら公立前提で大学までの学費は全て賄える。

3年間海外へ働きに行くことで、持ち家あり、または子どもの教育費の心配不要状態で30歳とかであればどれほど安心でしょう。正直この字ずらだけ見ると私でもうらやましいと思いますし、実習生にとってこの成功例に憧れて来日するのは分かります。

日常生活を派手にするために実習にきているわけではない

実習に来ているほとんどの人たちはベトナムで将来的に出ていくお金を確保するために貯金をしています。なので帰国してから金持ちになるということはほとんどありませんし、家は建てれど生活水準が大きく変わることはありません。とりあえず住む場所があって、子どもにもそれなりの教育を受けさせることができて、家族仲良く暮らせる。それだけで十分なのです。

絶対的貧困で話をするとベトナム人実習生のほうが確かに貧しいです。しかし相対的貧困で語ると日本人のほうが貧しいと言えるんじゃないでしょうか。特に精神面の話をすると正規、非正規関係なく今の日本人は結構貧しいレベルに差し掛かっている気もします。若者でも将来への希望や日常を楽しんでいる余裕などないような人がかつてより増えていると思います。私はバブル世代を知りませんが、当時の映像を見ると「コイツらどんだけ浮かれてんだ」と思いますし、お立ち台で踊ってる女を見ると「おめでたいやっちゃな」と思ったりします。

この状況を日本はどうする?

全部自己責任論で格差受け入れとすれば政治的には一番手っ取り早いと思いますが、そうもいかないのが日本の政治。とはいうものの現状からかつてのような「一億総中流」を目指すことも正直現実的ではないように感じます。貧困層の若者を国が支援するという方法ももちろんありかとは思いますが、そこに甘えて自助精神が欠落する層が生まれることも容易に想像がつきます。

短期間で劇的に改善というのは無理だと思いますが、今よりも酷くなるのか、あるいは今を一番悪い時とするのかの時期を迎えているんじゃないでしょうか。