ベトナム人実習生と留学生:帰国後はどんな仕事に就く?

日本国内でベトナム人実習生や留学生と接している人は帰国後にどんな仕事に就くか気になる人もいるんじゃないでしょうか。あるいは日本へ行く前の事前教育機関での実習生を見て、その子たちの将来について想像した方も中にはいらっしゃるかもしれません。今回は現地での実情とベトナム人が考えるキャリアについて記事にします。

技能実習生の場合

技能実習生は一般的に日本で3年働いた後に帰国しますが、その後かれらはどんな職業に就いているのでしょうか。日本に行く前から順を追って見ていきます。

日本へ行く前

日本の実習先を決めるための面接において以下のようなやり取りを見聞きした人もいるかと思います。

面接官「実習を終えてベトナムへ帰ったら何をしたいと思っていますか?」

実習生「日本の会社で働きたい、です!」

この時点で本当にそんなこと考えている人は一握りかと思います。まあせいぜい「日本の会社は他より給料が良さそうだし、就けたらいいかなぁ」程度なものかと。実習生初心者日本人にとってはこの言葉を聞いて「おー!」と思いますが、ある程度経験してくると「ああ、またこのパターンか」と思うようになります。早い話がこのやり取りは事前教育機関で事前に仕込まれたテンプレートみたいなものであり、とりあえず日本人に聞かれたらそういう風に答えとけみたいな教育がされています。なのである程度経験している人からすると、「日本の会社で働きたい」より寧ろ「実家の仕事を手伝いたい」みたいなもののほうが信憑性があるように感じるものです。

日本で実習期間中

この期間で日本の会社で働きたいかどうかが本当の意味で分かってきます。日本語を覚えて日本人と楽しくやれている層は本当にそう思う人も多くなります。一方日本の生活はイマイチ、日本語もよく分からない、とりあえず稼ぐ目的で日本にいるという層にとっては日本の会社で働きたいとは微塵も思わないでしょう。このタイミングで「ベトナムに帰ったら何をするの?」と聞いてみると各々思っていることを自由に答えるので面白いかもしれません。とは言っても実際のところ「特に考えていない」というところが関の山な気もしますが。

帰国後の実態

実習生がベトナムに帰国後の就業パターンは大体以下のような感じです。

①現地ローカル企業に就職(地元の個人商店など含む)

②実習生送り出し機関へ就職

③実家の手伝い(自営業、農業、その他)

④日系企業へ就職

①と③は私もこの層と日頃接する機会があまりないのですが、地方でたまたま知り合った元技能実習生などは大半このパターンです。一方ハノイやホーチミンなど都市部で知り合う元実習生は圧倒的に②が多いです。本当は④の日系企業に就職したかったけどできなかったから②の送り出し機関に就いたというケースも非常に多いです。つまり日系で本当に働きたいと思っても狭き門であることが窺えます。

留学生の場合

留学生の場合ベトナム人は大きく二つに分けられ、「本当の意味での留学生」と「出稼ぎ留学生」になります。これについては以前別記事で紹介していますので、以下を参照ください。

本当の意味での留学生の場合

元々ベトナム国内のそれなりの大学で日本語を学んでいたという層が多く、普通に教養のある人が多いです。なので日本の大学へ留学という学生の場合、もちろん頭も良く、帰国後も日系企業や日本を相手にするベトナム系企業に就職する人が圧倒的に多いように思います。もちろん就職しても将来的に重要なポストに就く可能性が高い人が多く、いわゆるエリート層という見方ができます。因みにこの層と日本語で話をすると、現場で何となく覚えたというような日本語ではなく、きっちり座学も併せて体系的に日本語を学んでいるのが伝わる流暢な日本語を喋ります。立命館大学のアジア太平洋学部に留学しているような学生はかなり強者で、少し話しただけで優秀な人なんだろうなということが分かります。

出稼ぎ留学生の場合

色々なバックグラウンドの人がいますが、ここでは高卒で19~20歳ぐらいで日本へ行く人を想定します。大体日本の日本語学校に2年通って、その後数年専門学校に通うパターンが一番多いでしょうか。高校を卒業してから2年だけではビジネスレベルで日本語を操るのは難しいので、その猶予期間として専門学校に通うという感じかと思います。もちろんこの期間は出稼ぎ期間という置き換えもできます。大よその学業を終えた場合、日本でそのまま就職する人もいますが、今回は帰国に焦点を当てて就職先を書くことにします。

①実習生送り出し機関

②ローカル企業

③日系企業

④実家の手伝い

基本的には実習生とそれほど遜色ないように思います。ただ一つ実習生と違いがあるのは、同じ出稼ぎ留学生でも日本でそれなりの正社員経験があって帰国する層は③の日系企業へ就職する確率が高くなるということです。実習生は通常定められた期間が終わると帰国するので、実習生同士の日本国内での経験年数は似たりよったりですが、留学生は人によってまちまちです。なので学業を終えて即行帰国となると日系への就職は厳しくなりますが、卒業後数年日本で働くとアドバンテージとなるわけです。ベトナム国内で学歴があるわけではなくても、こういった経験から帰国後に成功を収める出稼ぎ留学生も一定数いることは知っておいてもいいかと思います。

今回は実習生と留学生に焦点を当てて書きましたが、ベトナム人はまだまだ将来的な就職を見越して早いうちから準備するという人は少ないです。言ってしまえば行き当たりばったりな就職を繰り返す人も多く、それが現地の離職率の高さに一役買っているようにも思えます。