ベトナムのガスボンベ

私はベトナムに来てからIH式のものしか使っていませんが、ガス式も現役で活躍しています。今回はベトナムのガスボンベについて思うところを書きます。

プロパンガス

(よく見る光景。まるで「人間爆弾」)

ベトナムはガス管が家庭にありませんのでガスを使う場合はプロパンガスを買わなければいけません。家庭の調理用として膝丈ぐらいのサイズが一般的に普及していますが、日本で見られる背丈ぐらいの大きさのものなど色々なサイズが見られます。よく道路を走っていますとバイクでプロパンガスを積んでいる業者を見かけますが、これは交換用のプロパンガスを運んでいるところです。他にも荷台に大量のプロパンを積んでいるトラックを見ることもよくあります。

マンションなどの集合住宅ではプロパンガスの使用を禁止していることも多く、最近ではIH式のほうが優勢な感じもしますが、田舎や年配世代などは使い慣れたガス式を好む人が多いように思います。機能的にどちらのほうが優れているかと言われると何とも言えませんが、まあ停電などの非常時にはプロパンガスが自宅にあったら強いですね。

カセットコンロのガスボンベ

鍋を食べる時に使うものも我が家はやっぱりIH式で、プロパンガスを使っている家庭でも鍋用のコンロはIH式を使用しているところが多いです。カセットコンロタイプも同じくガスボンベが必要で、都度使うたびに準備しなければならないのが面倒なのと、安全面の問題が挙げられます。

というのもベトナムのカセットコンロに使うガスボンベは使いまわしなので、ボンベ自体が恐ろしく劣化していることがあるからです。実際そういったボンベが原因で爆発し、大火傷を負ったというニュースを見ることもあります。こういったことはベトナム人誰でも知っていますので、好んでガスボンベを使うという人にはまだ会ったことがありません。飲食店などに行くとカセットコンロを使って鍋を提供している店は普通にありますが、やはりIH式のほうが安心感があります。たまにボロボロのガスボンベを提供されると「飲食代に上乗せしていいから新品のものを使わせてくれ」と思うこと数知れず。。。

(こんな感じのが出てくると「マジかよ」ってなる)

鍋用の固形燃料

ついでなんで鍋のコンロに使われる固形燃料にも少し触れておきます。ゼリー状や蝋のようなアルコール固形燃料が鍋のコンロに使用されることがあります。これは最も簡易的な機材でして、路上の小さい店や鍋料理をメインとしていない店、鍋自体がサブ的なメニューとしてあるような場合に使われることがあります。火力も弱く燃焼時間も短いので使い勝手は悪いんですが、鍋の機材に費用が掛からないという店側の都合が窺えます。

(幼児の誤食とか普通にありそう)

この燃料を燃やした空気が目に入るとすこぶる痛いんですよね。そういった意味でも私はこの固形燃料で鍋を食べたくはないのですが、ローカル技として固形燃料に少量のnước tương(ベトナム式中濃ソース)をかければなぜかマシになるという裏技があります。

余談として、目に何かしらの空気や少量の液体などが入って痛くなった場合、ベトナム人は「cay」と言います。これは直訳で「辛い」という意味で、玉ねぎを切って目が痛くなったりするときにもそう言います。この痛さを「辛い」と表現するのも言語的な面白味を感じます。

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