ベトナム役人の賄賂粛清

コロナ禍の検査キットに関する賄賂を受けた役人が罰せられてしばらく経ちますが、渡航規制期間に海外からベトナムに帰国するための飛行機に乗るために賄賂を要求した役人などの粛清が進んでいます。今回はその件に関する話を少し。

渡航規制があったとき

コロナパンデミックで海外の往来が自由にできなかったことは記憶に新しいでしょう。特別チャーター便という形でしかベトナムに戻ることができず、そのチャーター便に乗るためには正規でも結構なお金が必要でした。こういった事情により中々ベトナムに帰国できず、金銭的に破綻した結構な数のベトナム人が日本にいたことは知る人ぞ知る話です。

建前上、チャーター便に乗るためには申し込みをして抽選に当たれば航空券を手に入れられるということでしたが、実際には賄賂を払ったらそのチケットを与えるということが多くの国のベトナム人役人を介して行われていました。他にもそのチケット手配をする旅行会社の上層部も一緒になって行っていたようです。

同じ国の人間が海外で困っているのにそれを食い物にするというのは人道的にも許されませんが、私としてはこういった事例が当時あるのを知ってもそれほど驚きませんでした。まあいわゆる「あるある」だからです。

ベトナム人というと同胞意識が高いと一般的に思われていますが、もうちょっと正確に言うと同じ立場同士の同胞意識が高いといったほうが正確だと思います。

刑が確定

現在進行形で上のような賄賂に絡んだ役人が粛清されていっています。懲役で重いものは20年ぐらい投獄されているのもいましたね。結構な数の役人が裁かれていますが、5年前後刑務所暮らしになる羽目になった人が多いようです。

因みにこの場合は賄賂を要求して受け取った罪となりますが、渡した側は罪にならないんですかね?最近は役人に対する賄賂が厳しくなっていますし、それに関する贈収賄の両方が厳しく罰せられるようになることも十分考えられます。現地の日本人でも賄賂に絡んだ事例で摘発されるケースも出ていますので、その辺りの感覚が変にベトナム化している人は注意したほうが良さそうです。

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