ベトナムのミックス鍋:lẩu thập cẩm

鍋料理が大好きなベトナム人。30℃を超える季節だろうと鍋を食べます。最近はタイや中国、台湾、日本などの鍋料理の味付けをしたものが若者を中心に人気を博していますが、今回は伝統的な鍋料理であるミックス鍋について書きます。

ミックス鍋:lẩu thập cẩmとは

(酒の肴には十分な具材。写真の出汁はタイスキと思われる。)

伝統的な鍋料理の出汁はシンプルで主に牛や鳥の骨から出汁を取り、伝統的な調味料を加えたものになります。出汁そのものの味はあまりなく、出汁単独で飲んでも特に美味しいと感じるレベルのものではありません。ミックス鍋というのは牛鍋や海鮮鍋などの具材をそれぞれ混合して入れる鍋のことで「 thập cẩm 」がミックスの意味となります。なんとなく豪華なイメージが沸くかもしれませんが値段はミックスでないものと大して変わりません。

他にも焼き飯のthập cẩmやチェー(ベトナム風ぜんざい)の thập cẩmなどがあり、料理名とセットでよく使われるベトナム語です。

なにがミックスされるのか分からない

一言で thập cẩm といってもどの具材がミックスされているのかは出てくるまで分からないことがあります。鍋料理の場合、上で書いた牛肉や魚介類などが一般的ですが、中にはカエルなど日本人が普段食べられないようなものがミックスとして出てくることもあります。そういう意味で事前に何があるのか確認しておいたほうが無難かもしれません。ザリガニらしきものが出てきたこともありましたが、そもそも他の具材とザリガニを一緒に鍋で煮込むのに抵抗がありましたので、ザリガニだけは他の食材の飾りとして食べずに避けておいた経験があります。その時に一緒に食べた妻もザリガニは食べたことがないようで、同じく食べたくないと言ってました。

自宅で鍋をするときは自分が食べたい具材を買いますので、牛肉や鶏肉、魚介類なども一緒に入れることがよくあります。これもれっきとしたthập cẩmなわけで、特定の出汁や具材に特化した鍋でなければ「lẩu thập cẩm」と解釈することができそうです。

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