日本人が日本語を勉強したほうがいいケース

ベトナムは日本語学習者が多いので他の国と比べて日本語を話す国民が多い国です。日本にいるベトナム人に限らず、ベトナムにいるベトナム人でも日本語を話す人に出会うことはよくあります。仕事でベトナム人に日本語を話すことを求める環境は日系企業ではよくありますが、今回はその点について思うことを書きます。

JLPTは会話力を測る試験問題はない

外国人の日本語能力を測る客観的な資格の代表例として日本語能力試験(JLPT)があります。上からN1~N5までのランクがありますが、仕事で日本語を使うレベルは一般的にN3以上となっています。しかしいくらN3やN2の資格を持っているからと言っても会話がさっぱりというケースもあります。これには以下の事情があります。

JLPTは筆記試験となりますので会話力を測る試験はありません。なので同じN2を持っているというベトナム人でも実際に日本人と働きながら日本語を使った経験があるかどうかで、会話力には雲泥の差があります。よくあるのが現地の大学で日本語を学んでN2を持っているが会話は全然できないというケース。会話力は本人の性格的な部分も影響しますが、座学で実践がなくても資格は取れてしまうこの試験です。資格を見て「これぐらいは会話できるだろう」と思っていたら面喰ってしまうことも時々あります。そういう意味では日本人のTOEICと似たようなものでしょうか。ただ資格を持っていると間違いなくそれに必要な知識は備わっていますので、実践さえ積ませてあげれば成長も早い子が多いです。

日本語を話す日本人も学ぶべきことがある

例えばベトナム人と働く日本人で、そのベトナム人の日本語能力についてクレームを出す人がいます。大概は会話力についてなのですが、もう少し注意深く見てみるとベトナム人の日本語能力というよりは日本人の話し方が原因であることもあります。

例えばN3レベルの外国人と聞いたときに、「N3と言えば大体この程度は理解できるだろう」というように感覚的に把握しているような日本人が大半です。具体的にN3であればどんな文法を学び、どんな語彙を分かっているかというところまで分かっている人はほとんどいません。N3レベルの外国人にN1やN2の文法、語彙を使っても理解されないのは当然で、それで「日本語が下手だ」と結論付けるのはお門違いな話です。また理解してもらおうと不自然にゆっくり話そうとする努力もベクトルが間違っています。

日本人が日本語教師から学ぶこと

こういったレベル外の日本語を使わずに外国人にとって分かりやすい日本語を話すプロが日本語教師(のはず)です。しかし日本語教師じゃないとそれができないかと言われるとそうでもありません。外国人向けの日本語学習教材を少し読み込んでみるだけでも大よそ把握できるものです。同じ日本人でも外国人から「その人の日本語は分かりやすい」とよく言われる人は自然とそれができている人なんでしょう。実際N3でも本当にN3レベルの知識を獲得している外国人であれば、仕事でも結構使えるものです。今はビジネスの場はN2以上というのが通例的になっていますが、日本人側の話すレベルが高ければ意外とN3レベルでも十分だったということが起こります。下手に高いレベルを採用して人件費がかかるぐらいであれば、自分が少し努力して人件費の削減に努めることも可能かと思います。

同じ日本人でも外国人にとって分かりやすい日本語を話す人とそうでない人の差は結構あるものです。どうも日本語があまり伝わらないと感じている人は相手の日本語力だけでなく自分の日本語の話し方も一度見直してみることをお勧めします。