初めて出会って以降
旧正月のときに初めて会ってから特に進展もなく半年ぐらい経過しました。いや、正確にはその空白期間にも数回フェイスブック上でのやり取りはありましたが、取り留めのない内容ばかりで少なくとも恋愛に進展するような気配は全くありませんでした。
複数の男女友達と一緒に遊びにいったときの写真がフェイスブックにアップされたりしていましたから、まあ彼氏ができるのも時間の問題だろうとそのときは思っていた気がします。この時点では彼女に対してそこまでの関心はなかったのでしょう。
今から思えば、そこからどうやって進展したのか不思議です。出会ってから半年後、何となくのメッセージのやり取りがずっと続くようになりました。これまでなら数回の往復で終わっていたのが、日を跨ぐようになり、特に終わりのないメッセージのやり取り。このやり取りが日課になるぐらい日常に入り込んでいたのです。この頃には彼女に対する意識が既に芽生えていましたし、恐らく彼女の中でもそうだったんだと思います。
デートに誘ってみるも・・・
一緒に遊びに行きたいと思いましたが、当時の私はまだベトナム語でのコミュニケーションはあまりできず、実際会っても会話がもつかどうか、そんな不安もかなりありました。会ったところで話が弾まなかったら、ここで今の関係も終わってしまうんじゃないかと。
そんなことを考えてデートに誘うのに躊躇していた私でしたが、急な仕事の用事があって1か月ほど日本へ帰らなければならなくなりました。日本へ帰ると生活リズムも変わるだろうから、今のようにメッセージのやり取りを続けるのも難しくなるかもしれない。そこで今の関係がリセットされてしまうかもしれない。
「帰国前に一度会っておきたいな。」
自然とその感情が湧き出てきました。躊躇しているときに何かのきっかけというのはありがたいものです。思い切って彼女をデートに誘ってみました。
「うん、いいよ。」
本来この時点で喜ぶものなんでしょうが、このとき喜び半分に、半分は当日のデートをどうやって凌ぐか。そんなことを考えていたのを今でもはっきり覚えています。
そしてデート当日。確か一時帰国の2日前だと記憶しています。期待と不安が入り交じった状態でそろそろ出ようとしたとき、彼女から連絡がありました。
体調が悪いとの理由でドタキャンされたのです。
これは脈がないか?
帰国直前にデートの約束をするもドタキャン。これはもうダメだなと思いました。体調不良とはよくある建前です。正直ここで終わりかと思いました。しかし帰国後もメッセージのやり取りは続きます。そして
「この前はごめんなさい。ベトナムに戻ったら一緒に遊びに行きましょう」
と。少し半信半疑な感もありましたが、戻ったあとにもう一度約束すると今度はちゃんと遊びに行くことができました。お付きで従妹がいましたが…
当時はベトナム語で間を持たせるために本当に四苦八苦しました。デート中の沈黙ほど息苦しいものはありません。今から思えばお付きの従妹はそのときのための保険かつ、一人で遊びに行くのは不安だという彼女の警戒心からだったんだろうと思います。とりあえず無事に?デートを終えると、2回目のデートは二人だけで遊びに行くことができました。この時に会話に困ることがなく、お互い楽しめたことが今後の付き合いを一気に加速させることになったんだと思います。
その後は週一ペースで遊びに行きつつ、嫁の友達も何人か紹介されながら順調に交際が続きました。私は日本にいたときは恋人がいてもメッセージの交換は毎日行わないスタンスでした。理由は忙しいというのもあったんですが、毎週会うんだから毎日メッセージの交換をする必要がないだろうと、少し冷めたタイプです。
ベトナムではそんな付き合い方はありえないと聞いていたので、毎日メッセージの交換をしていました。しかし不思議とそのときは何の苦にもならず、時間が来たらメッセージを送るというのが日課のようになっていたのを覚えています。
私はベトナムで3年ほど働いたらまた他国へ行きたいと思っていたのですが、もしかしたら永くベトナムに住むことになるかもしれないなと思い始めたのもこの頃からだったと記憶しています。