ワンピースでベトナム語を学んでみて思うこと【前編】

語学学習のツールとして漫画を用いるのは珍しくないですが、ベトナム語学習に関する体験記事は少ないので書くことにしました。現在進行形ではありますが、今の時点で感じていることを書こうと思います。

ここにきて漫画を使うに至ったわけ

語学学習に漫画を使うことはアリだと思いますが、ある程度のレベルに達するまでは手を出すべきではないというのが私の見解です。そんなわけでこれまでもベトナム語学習のツールとして漫画を使うことはなかったんですが、今回以下の経緯で初めて漫画を使って学んでみることにしました。

①日常生活やビジネスについて大半はベトナム語のみで完結できる

②市販の学習参考書から得られる知識に限界がきている

③公的な文章、ニュースなどを使っての学習に飽きてきた

④ベトナム人同士のカジュアルな表現が理解できないことが多い

⑤フランクな会話の雰囲気を学びたい

こんか感じで漫画を手に取ることにしてみました。ベトナムには色々な日本の漫画がありますが、セリフや内容が比較的頭に入っている作品ということで「ワンピース」を選択します。少年誌のバトル系は日常での使用観点から避けたほうがよかったかもしれませんが、かといってドラえもんを読み込むのもモチベーション維持の面でどうかなぁと思いましたので前者となりました。ドラゴンボールも候補には上がりましたがワンピースより更に非現実ということで落選。

実際読んでみて思ったこと

大学のときに「るろうに剣心」の英語版を数冊読んだことがありましたが、そのときよりも読みにくいですね。単純に当時の英語力と今のベトナム語力の差もあるかと思いますが、何というか表現がベトナム語のほうが多彩、且つ会話独特の文法の崩れが多いように感じています。以下に読みにくいと感じる点を列挙します。

人称代名詞多すぎ

ベトナム語の人称代名詞が多いのは少し学習経験がある方なら誰もが知るところです。公的に使われる人称区別だけでもヒーヒーものなんですが、カジュアルに使われ、時に礼儀という意味で好ましくない人称表現を加えるとかなりの量となります。これらを理解できるまで「この人称は誰を指しているのか?」「人称なのか、それとも他の未知語なのか?」といったところの障害が多く読むのに時間がかかりました。それなりの巻数を読み進めていくと似たような表現の人称が使われるので楽になりますが、始めの段階で苦労したところとなります。

(例;日本語で訳すなら「野郎」「こいつ」「奴ら」「~ども」「クソガキ」「ボケナス」といった礼儀的に好ましくない表現の人称から、「私」「僕」「俺」「我」「吾輩」といった使い分けなどなど。こうして並べると日本語も人称表現豊富ですね。)

因みに同作品を知ってる人向けですが、ゾロは基本自分のことを「俺(tao)」と言いますがミホークと初めて戦うときは「私(tôi)」と言ってます。ミホークは探していた目標の相手ということで敬意を払っているというのがベトナム語からは読み取れるわけで、日本語ではここまで表現をいじってなかったかと記憶しています。

続きます。

>