ワンピースでベトナム語を学んでみて思うこと【後編】

ワンピースでベトナム語を学んでみて思うこと【前編】の続きです。

辞書の精度の問題

越日辞書の限界を感じます。ベトナム語の中上級レベル以上ではあるあるですが、単語が載っていなかったり載っていても意味がしっくりこないことがよくあります。そこで越英辞書に頼ったりそれでも分からなければ越越辞書を使うわけですが、最終的にそれでもよく分からない場合はスルーして読み飛ばします。

自分が使ってもいい語彙かの判断が難しい

海賊漫画なので粗暴な言葉も多いです。何となく表面的な意味だけ理解して使うと実は失礼だったというものがありますのでそこは注意が必要。これは漫画で学習する際の一番の注意点かと思います。

日本語Verを知っているからこその楽しみ

既に知っているストーリーなのでストーリーそのものにワクワクすることはありませんが異なる言語ならではの感心はあります。

ベトナム語だとこう訳されるのかと思うことはよくあるわけで、ワンピ―スの話を知らなければなんのこっちゃな話ですが、例えば技の名前は原作を尊重して日本語をそのまま掲載し、下に注釈として意味を載せている構成です。なので「ゴムゴムのピストル」などはそのままアルファベットで「GOMU GOMU NO PISTOL」と書かれ、注釈として「Súng cao su(ゴムの銃)」となります。説明しやすい技名ならまだいいですが、「灯篭流し」「獅子歌歌」などは翻訳者もなんて注釈しようか頭を悩ますんじゃないでしょうか。あと印象に残るようなセリフの訳はやはり勉強になります。

またアニメでの話ですが最初の海イーストブルー(東の海)で登場する人物はハノイの発音で話します。なので主人公のルフィを始め、そこから仲間になるメンバーもハノイ(北部)発音でベトナム語を話すわけですが、サンジだけは南部発音のベトナム語で初登場時から話しています。ベトナム人の視聴者は初登場時から「サンジは他のメンバーと出身地が違う」と感じるんでしょう。日本語のアニメではこの辺りの発音の違いはなかったと記憶していますので、これはベトナム語(外国語)ならではの演出かなぁと思いました。初登場時から彼の出身がノースブルー(北の海)であることや後のジェルマ66の伏線を張っていると考えると中々憎い演出です。(*因みにベラミー海賊団がサンジと同じ発音のベトナム語を話すかは未確認)

こんな感じで娯楽半分に読み進めてます。大体1冊辺り100~150ぐらいの未知語がありますが、読み進めるにつれて未知語が減っていくことを期待します。まあ最後まで読むのかという問題はありますが、とりあえず飽きるまではのんびり読んでいこうかと思います。

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