知り合いの日本人にベトナム人のエレベーターの使い方について聞かれたことがあるんですが、今回はその謎について書きたいと思います。*本記事は全てのベトナム人に当てはまるものではありません。
下に行きたいのになぜ上を押す?
「エレベーターを呼ぶときに下に降りたいのに上の矢印を押す人がいるのはなぜか?」と聞かれたことがあります。そういえばどっかでそんな人見たことあるなぁと思いつつ、なんでかなぁとしばらく謎でしたが、先日ベトナム人とエレベーターに乗り慣れていない人について話をしたときに、そういうことかと納得しました。理由としては
「エレベーターを呼ぶ際の矢印は自分が向かいたい方向ではなく、エレベーターが向かう方向だと思っている。」
ということのようです。例えば自分が5階にいて1階に降りたい場合において、エレベーターが3階に停まっていたとします。この場合下に降りたいので本来は下の矢印でエレベーターを呼ぶわけですが、エレベーターそのものは5階まで上がってこないといけないので上の矢印を押さなければいけないと勘違いしているとのこと。
これはエレベーターに乗る機会がないような田舎住まいで生活が完結している年配の人に見られる傾向なようです。子ども達が都会に住んでいて上京してきたおじいさん、おばあさんにたまに見られる光景と言われています。(似たような感じの人でエスカレーターに乗るのを手こずっている人を見ることもあります)
ぎゅうぎゅうにまで乗らない
「スペースがなくなるまで頑張って乗らない人が多いのはなぜか?」
日本は満員電車があるようにエレベーターも結構詰め詰めに乗りますが、ベトナム人はまだいけそうなのに乗るのを諦める人が結構います。人と人との距離が物理的にも近いベトナム人なのになぜ?と思いますが、これは昔から来る安全への感覚が働くからだそう。
昔のエレベーターは下手に乗りすぎるとケーブルが切れる事故もあったようです。古いアパートなどのエレベーターではあまり乗りすぎると怖いと感じるエレベーターが今もありますし、その時の名残もあるんじゃないかとのことです。なので現代の性能が高いエレベーターであれば過度な心配ではあるものの、当時の感覚からすし詰めに乗るのはよくないと考えるのだとか。
因みに「エレベーターはすぐ自動で閉まるのに何でわざわざ閉めるボタンを日本人は押すんだ?」とフランス人に昔聞かれたことがありました。これは日本人のせっかちさについて言われたことですが、ベトナム人も一般的には閉めるボタンを押す人が多いように思います。