ハーフの親だからこそ必要なふるまいもあると思う

黒人と日本人のハーフの高校生が頭髪を巡って学校とひと悶着あったそうです。

黒人伝統の髪形で卒業式隔離 「教育的配慮足りず」 兵庫県教委 (msn.com)

ハーフの子どもを持つ身としては少し気になるところがありましたので記事にしたいと思います。

記事の表面だけ読むと?

上のリンク記事について表面的に読めば、現代にそぐわない過度な頭髪指導、多様性を認めない、人権侵害、みたいな学校側への非難が強い内容に見えます。卒業生を2階席へ隔離、名前を呼ばれても返事させないという措置もどうなのかな?とも思います。

(冒頭記事からの引用画像)

で、実際に問題になった髪型ですが左の髪型では頭髪指導基準にかかるから改善するよう以前から指導を受けていたということで、右の髪型に変えて卒業式に出席しようとしたそうです。この髪型はアメリカ人である黒人の父親のルーツにある伝統的な髪型で、これを受け入れられないと言うのは自分のルーツを否定されたと感じたのだとか。(因みに画像では右側はピアスをしていますが、これは卒業後に開けたものと言ってます)

もうちょっと色々知りたいところがある

まあ今の時代、この記事に書かれている情報が全てであれば学校側が叩かれるでしょう。ただ気になるのが学校側の見解として「名前を呼ばれても返事をさせない」ということに落ち度を認めている一方で髪型についてはさほど落ち度を認めている感じはありません。また教育委員会もどちらかというと今回の学校の対応をそれほど非難しているようにも見えません。

ここで少し気になったのは日頃のこの生徒と学校との関りはどうだったのだろうかということです。例えば日頃から何かしら生活指導を受けてるような生徒が、いきなり卒業式にそんな髪型で登場したら「なにやっとんじゃ!」って話になりますし、「これが自分のルーツだから」なんて言ってもすんなりは受け入れてもらえないでしょう。画像の左側でしたら日本人でも天パでこのレベルはいますので、ルーツはおろか黒人とのハーフ云々とかも学校側に知られていないのであれば現場教師にそれをすぐに許容させるのは難しいかと思います。

斜めから見れば学校側から塩対応される何かしらの背景があったのでは?と感じてしまいます。

親はどうなのだろうか?

母親は日本人のようですので子どもがその髪型で卒業式に出ることについて何か考えなかったのでしょうか?その髪型が夫の国の伝統的な髪型であったとしても、髪が耳にかかるのを禁止しているような厳しい校則の学校です。母親自身がその髪型をリスペクトしていたとはいえ学校側がそれを受け入れるかどうかは別問題。まして卒業式のような日本の式典なわけですからそういった事情を話すことも含めて、事前に学校側に確認をとってもよかったのではないかと個人的には思います。

現実的にはハーフだから特例的に認めてもらえることがある一方で、ハーフだからこそある種我慢しないといけないこともあるかと思います。日本ではハーフだけが存在している環境なんてないわけですし、結局マイノリティな立場になるわけですからそういった日本の環境を理解している日本人親がどのような行動をとるのかが大切なんじゃないでしょうか。

多様性については一昔前から日本社会の課題となっていますが、この一件については学校側に一方的な非があるとはどうしても思えない自分がいます。

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