ベトナム人女性の妊娠&妊婦事情

ベトナムは平均年齢が若く、子どもが多い国。なので必然的に妊婦が多くなります。こちらの記事ではベトナム人女性の妊娠から出産事情について書いていきます。

ベトナム人女性にとっての妊娠とは

今の日本では産む産まないは女性の自由とされていますので、結婚しても子どもは作らないという選択肢も広く認められています。もちろん子どもがいないことで後ろ指をさされるような世の中ではなくなりました。しかしベトナムについては昔の日本のような考えが現在もあります。

「結婚=妊娠」が常識の社会

ベトナムでも少しずつ都会を中心に考えが変わりつつありますが、現在も結婚したらまもなく子どもを作るのが常識という考え方があります。ベトナム人男性でも「子どもがいないのなら結婚する意味がない」と考える人がたくさんいますので、いかに子どもが重要視されているかが分かります。また夫婦間だけならまだいいのですが、身内からも妊娠するかどうか常に気にされますのでそのプレッシャーも大きいものです。私の知り合いで女性が妊娠できないことを理由に離婚したという男性を何人か知っていますし、それが「酷い」ではなく「仕方がない」と見る風潮がまだまだ強いように思います。

貞操観念が妊娠能力の確認のために崩れることも

かつてベトナム人女性は結婚するまで婚前交渉はしないとされていましたが、最近では婚前交渉も普通です。こちらの記事でも書きましたが、考え方が少しずつ現代化してきていることによるものです。一方田舎などの保守的なところでは違った意味で婚前交渉を認めているケースもあります。それは妊娠したら結婚を認めるという場合です。例えば「嫁として迎えたものの跡取りができなければ具合が悪い、かと言って離婚と言うのも避けたい。であれば結婚前にちゃんと妊娠能力があるかを確かめればいいのではないか」というものです。

田舎はできちゃった婚が多いのは男性の避妊意識の低さだけが原因ではないように思います。私も田舎の結婚式に何度か出席したことがありますが、結婚式の時点で既に妊娠しているというケースが多い印象があります。ベトナムでは結婚後しばらく夫婦だけの時間を楽しもうという考えの人は少なく、とにかく「結婚したら(あるいは結婚が決まったら)子作り」という感じです。

女性蔑視という考えには今のところなっていない

妊娠するかどうかは男性、女性双方の生殖能力が関係しますが、年配者は女性の能力だけに責任追及することが多いようです。現在は不妊治療が上記の現状を理由に一般的になっています。女性に対しこういった過度に妊娠を強いる状態は、日本であれば女性蔑視として言及されそうなものですが、今のところベトナムではその気配はありません。それはほとんどのベトナム人女性自身が自ら子どもを持ちたいと考えていることが大きな理由となります。ベトナムは女性の社会進出が進んでいると言われていますが、ある程度経済的に自立ができる女性でシングルマザーを希望する人が増えています(私の嫁の身内にも宿泊施設のオーナーでシングルマザーがいます)。

金がないから子どもを作らないという考えにはならない

今の日本は子どもが欲しくても経済的な事情で作れないという夫婦もいます。「金が無いから結婚できない、金があっても結婚しない(したくない)、金があっても子どもは作らない」などなど。少子化が進む条件は十分すぎるほどあるように思います。しかしベトナム人は違います。まずほとんどの人が年頃になったら結婚したいという願望や、しなければならないという強迫観念があります。また結婚したら子ども持つというのも世間一般の共通認識なので、結婚と妊娠のハードルが日本のそれと比べて低くなっています。ベトナム人から言わせると、「金が無くても結婚はできるし、子どもも作れるだろ?」といった感じです。私も周りを見ていて思いますが、あるベトナム人で、「このスペックだと今の日本だと結婚は難しいだろうなぁ」と思われる人でも普通に年頃になったら結婚をしています。今の日本の婚姻数の減少、少子化はベトナム人の意識や社会状況を鑑みますと色々考えさせられるものがあります。

ベトナム人の出産事情

上のような感じで妊娠しますと出産に向けて準備をするわけですが、ベトナムの出産に関する感覚は日本のそれと異なります。以下ではその異なる部分を中心に書いていきたいと思います。

妊婦がバイクに乗るのはいかにもベトナムらしい

これはバイク社会ならではだと思います。日本では妊婦がバイクに乗っていたら怒られるかもしれません。しかしこれといった交通手段がないベトナムではバイク以外移動手段がありません。都度タクシーなんて利用していたらお金がもちませんし、かと言って家でじっとしておくという選択肢も基本的にはありません。旦那が体を気遣ってバイクで送り迎えということは普通にありますが、それでもバイクに乗っていることは変わりありません。私の嫁も普通に臨月までバイクに乗っていました。

ベトナム人妊婦にとっての産休とは

会社勤めをしている人は出産に当たって産休をとります。基本的には産休はトータル6か月で、産前は2か月前から取得可能とされています。しかし現実問題2か月前から産休に入る人はほとんどいません。大概が産前2週間前、あるいは出産まで出勤しています。私もベトナムに来てから様々な妊婦と一緒に働いてきましたが、職場で産気づいて病院へ直行なんてことは普通にあります。特別医者からストップがかからない限り、ギリギリまで働くのがベトナム人女性です。

産休明けもまたベトナム人らしい

産休中は社会保険で給与が保障されるので、一定額の給与までは6か月休んでも収入に変化はありません。しかし医師の承認があれば産後4か月を経過すると職場復帰もOKということで、ダブルインカムを狙って出社してくる女性も結構います(一応法的には医師の承認がないとだめとされるが、承認無しで復帰している人も実は多い)。

そうなると「生まれたばかりの赤ちゃんはどうなるの?」と思わるかもしれませんが、大概は地方からどちらかの母親が同居して子守をすることになります。なので平日日中のマンションなどはお婆さんだらけ。このときは限定的な高齢化社会となります。しかし義理の母親と反りが合わない奥さんなども中にはいるわけでして、その場合は保育園に預けられます。ベトナムでは家庭事情関係なく1歳を経過したぐらいから保育園に入れるのが普通の社会なので、このタイミングでお婆さんも田舎へ引き上げていくという家庭が多いです。

日本にいたときは他人の妊婦と一緒に仕事をしたりする機会もなかったんですが、こちらにきてから随分妊婦と接する機会が増えました。この妊婦の多さがベトナムの子ども多さに繋がっていると改めて認識されます。

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