ベトナム人の愛国心は日本人のそれより強いと思います。それって何でなんかなぁ~と思ったんで、考えたことを書き連ねます。
Tôi yêu Việt Nam
見出しの「Tôi yêu Việt Nam」は「I love Vietnam」の意味です。ベトナムで生活しているとこのフレーズに出会うことがしばしばあります。たとえばテレビを見ていても国を挙げての国際試合、国全体のイベント、その他諸々でテンションの上がったベトナム人がこう叫んでいる中継を見ることがあります。またパスワードは「Tôi yêu Việt Nam」なんてのもあったりしますので、「ああ愛国心強いんだな」とその都度感じるものです。
日本で「日本大好きー」とか「日本サイコー」なんて叫んでる若者を見ることなんてありませんからね。むしろ話題になった「保育園落ちた、日本〇ね」なんて発言が出る国です。
国民に誇りを持たせるベトナム
歴史教育やそれなりに情報統制のあるメディアを見てますと、ベトナムは国民に対して自国に誇りを持たせるようにしていることが窺えます。これは国としてまとまりを持たせるという観点からは非常に有効なものだと考えます。日本だと「個人の思想を強制するな」みたいな声が上がると思いますが、少なくともベトナム人が自分の国に誇りを持つことについては悪いことではないと思います。私なりに感じる日本とベトナムの持っていき方の違いについて書いてみます。
戦争描写
日本とベトナムは戦争に関する描き方が異なります。テレビや本などを通じて感じる私の印象としては大体以下のような感じです。
日本の場合
戦争は残虐で悲惨なものという教育。軍部の暴走により多くの若者が戦地で命を失っていった。日本軍の蛮行の紹介、空襲被害による街の壊滅などなど。戦争は悲惨なもの→二度と戦争してはいけない。最終的な着地点は平和を尊ぶということで学校での平和学習などは道徳授業の定番。
ベトナムの場合
戦争から誇りと愛国心を伝える。大国の侵略から勇敢に戦った兵隊、国民全員が力を合わせてアメリカを撃退、戦後の復興に力を合わせた団結力。こんな国を誇りに思い、これからもみんなで協力して頑張っていこう。→最終的に平和を尊ぶという点は同じでも戦争に対する扱い方は日本のそれと大きく異なります。ベトナムの国営放送VTV1では軍隊に関する番組や当時の戦争に関する紹介番組がレギュラーでありますが、やっぱりそんな感じの構成です。
経済の場合
日本とベトナムはそもそも経済発展の時期、規模が全然違いますので単純比較はできませんが、長い時間停滞している日本と右肩上がりのベトナムではかなり温度差があります。実際私もベトナムで暮らして10年近くになりますが、この10年でも一般家庭レベルの生活水準は向上しているのが目に見えて分かります。鵜呑みにし過ぎると危険ですが、国営の時事ニュースだけを見ていると「ベトナムすげー」っていう感じになります。反社的な内容はもちろんご法度なので、そこはご察し下さい。
日本好きですか?
海外に出ると日本の良いところが分かると言われます。これは私もそう思いますし、生活しなくても海外旅行レベルのものでもそう感じた人はたくさんいるでしょう。これまで30か国ぐらいの国を見てきましたが、どこの国に行っても、「これについては日本の方がいいな」と思うところは必ずありました。
ただ最近の日本を見ていて思うのは色々面倒くさい国になってきたなという印象でして、これは自由と引き換えに向き合う問題なのかなぁと感じています。