ベトナム現地採用の給与相場

以前の記事でも書いた通り、ベトナムで就業するには現地採用が一番手っ取り早いのですが、駐在員と比べると給与は低いです。「現地採用=現地レベルの生活」を多かれ少なかれ求められるので、そこの許容度によって給与に対する見方が大きく変わってきます。例えば一般的なベトナム人と比較的同水準で生活しても気にならないという人であれば、現地採用と言えど高収入という感覚になります。一方現地レベルの生活は受け入れられないという人であればかなり薄給というイメージでしょう。(まあそういった人はそもそも現地採用で生きていくことはできないと思った方が良いかと思いますが。)

ただ一言に現地採用と言っても職種や業界によって給与は様々です。この記事では各職種、業界ごとの給与相場を紹介していきます。

*定期的に更新はしていきますが、この記事を書いた日付を参考に見て下さい。

業界、職種別給与相場

営業職

一般的に製造業は2000~2500USD、サービス系は1500~2000USDぐらいのレンジが一般的です。500USDの差は海外経験や業界経験、語学力の有無などで変わってきますが、年齢によって給与の差がそれほどでない職種とも言えそうです。たまに営業職で3000USDとかの求人もありますが、マネジャー+ベトナム&業界経験が豊富とかでない限り難しいでしょう。また営業職はほとんどが40歳以下ぐらいを対象としていますので、それ以上の年齢で営業職を希望しても書類選考で落とされる可能性が高くなります。

事務職

ベトナムでは単純な事務職の募集は少ないです。ほとんどが「営業事務」といった、営業もやりながらの事務職みたいな業務形態になります。給与もそれほど高くはなく大よそ1500USD~1800USD辺りの求人が多い様に思います。

IT系エンジニア

その人のスキルや経験にもよりますが、殆どは30代ぐらいまでの人を採用する前提で募集しますので、給与は2000~3000USD辺りで落ち着くことが多いです。元々ベトナムに進出するIT企業はオフショアなど経費を減らす目的の会社が多いので、よほどの大手でなければ日本人エンジニアとしてもそれほど高い給与は出しません。ベトナムや海外経験に関心のあるエンジニアでなければ魅力的な求人ではないでしょう。

工場系生産管理、品質管理

生産管理と品質管理は給与の面ではほとんど変わりません。未経験でもミニマム2000USDぐらいで設定している会社が多いように思います。また同業界でこの職種経験者であれば2500~3000USDぐらいも狙えるかと思います。会社の業績によりますが、勤続年数に応じてある程度の昇給が見込めるポジションでもあります。

接客、サービス系

サービス業の接客系や旅行会社などは全体的に給与が低めです。1500USD辺りの求人が多いので、未経験+海外初心者がよく集まる印象です。本人の意向に依りますが、最初の入り口としてこの手の会社に入り、その後営業職などに転職してステップアップしていくのがスタンダードなキャリアアップかと思います。

現場技術系

この職種は職人系のスキルをもった人材を求められるので年齢層は高くなります。経験によっては60歳以上の採用も珍しくなく、給与もそれなりに出しています。以下に大まかな職種ごとの給与を書きます。

建設施工管理:3000~10000USD 電気設備系:3000~5000USD

その他製造業での現場技術者:2500~5000USD

日本語教師

ベトナムでは日本人の中では最も薄給に位置する職種です。日本語教師をやっている人はそれを承知の上でやってますので問題ないと思いますが、間違いなくベトナム人の水準に近い生活を送らないとお金は足りなくなるでしょう。また雇用元がベトナムの会社というのが殆どなので、就職先によってはビザに関するトラブルもよく聞かれます。一言に日本語教師と言ってもどの業界に所属するかで若干給与は変わってきます。

実習生送り出し機関:800~1500USD辺り→儲かっている送り出し機関は比較的羽振りがいい

留学センター:1000USDS前後→送り出し機関よりは安め

その他:採用元の組織レベルによる。日本語教師2000USD超えはかなり好待遇

ベトナム現地採用の一般的な手当

給与の他に各種手当といったものがつきます。手当の厚さは会社に依りけりですが、一般的な手当から珍しい手当まで様々です。ここでは一般的な手当てからあれば嬉しいものまで紹介します。

必須系:ビザ、労働許可証取得&更新費用→これがない会社は話にならない

一般的:海外医療保険加入、契約更新時の一時帰国費用&赴任時の航空券支給

あれば嬉しい:住居支給または家賃補助

経験やスキルがない時点で給与に高望みをするのは言語道断ですが、上記のような相場を基に考えてもらえればと思います。現地採用者は自分の市場価値を以下に冷静に分析できるかが仕事にありつけるかどうかが決まってきます。

>